【住宅】頭金なしでいま買う、貯金して5年後に買う、どっちがお得かシミュレーション

執筆者:マネーFix 編集部

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日銀が7月下旬に金融政策の変更をした影響で、長期金利の上昇が続いています。

長期金利の上昇によって、長期固定型の住宅ローン「フラット35」の最も低い金利が2ヵ月連続で引き上げられました。

長期金利の上昇は、住宅ローンの固定金利上昇につながり、住宅ローンの返済額に大きな影響を与えます。

そのため、これから住宅ローンを組もうと考えている人にとっては、住宅購入のタイミングが重要になってきます。

この記事では、住宅を頭金なしでいま買うか、頭金を貯めて5年後に買うか、どちらがお得になるか検証します。

頭金ゼロで住宅ローンを組む人の割合

三井住友トラスト・資産のミライ研究所(以下ミライ研)は、18~69歳の1万1190人を対象に「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」を実施しました。

出典:三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」

借入金額別に頭金の準備割合を調査したところ、「頭金ゼロ」の割合は、借入金額「3,000万円~4,000万円未満」(32.3%)が最も多く、「4,000万円以上」(29.0%)、「2,000万円~3,000万円未満」(24.6%)と続きました。

頭金ゼロの割合は借入金額にかかわらず約2割程度で、借入金額が3000万円以上なると3割程度に上昇していることがわかりました。

住宅ローンをシミュレーション

「頭金なし」と「頭金あり」の場合のシミュレーションをしてみましょう。

条件

  • 借入金額:3000万円
  • 借入期間:30年
  • 金利:1.8%(全期間固定)
  • 頭金:300万円


毎月の返済額は、「頭金あり」だと「頭金なし」に比べて約1万円少なくなります。

また、「頭金あり」だと返済総額は約388万円、利息総額は約88万円少なくすることができます。

同時期に住宅ローンを組む場合は、頭金ありの方が返済総額を少なくできることがわかります。

上記のシミュレーション結果だけを見れば、「頭金あり」の方が返済総額が少ないのでお得に感じます。

しかし、頭金を貯めて5年後に住宅ローンを組む場合は、5年分の家賃が必要になります。

仮に家賃が毎月10万円だとすると、5年間で600万円の支払いになります。

5年後も借入金利が変わらない場合、利息と家賃を合計すると、「頭金なし」の方が約511万円も支払総額を少なくすることができます。

頭金なしのほうがお得かも

上記のシミュレーション結果から、住宅ローンを組む場合は、頭金を5年間貯めるよりも、頭金なしで住宅ローンを組んだ方がお得だとわかりました。

ただし、住宅ローンを組む場合には、金利の変化も注視する必要があります。

住宅ローンを組むときの金利が、いまよりも5年後の方がはるかに低ければ、頭金を貯める方がお得になるかもしれません。

しかし、現在の住宅ローンの借入金利は低い状況にあり、現状より金利が低くなることは考えにくいといえます。

また、冒頭でも解説したように現状の住宅ローン金利は上昇傾向にあります。

そのため、5年後はいまよりも高い金利で住宅ローンを組む可能性が出てきます。

そうなると、返済総額の差は、シミュレーション結果よりも大きくなります。

住宅ローンを組む予定の人は、早めに住宅を購入する方がお得かもしれません。

ただし、頭金をいくらにするかや、家賃の支払い額によっても返済総額の結果は変わってきます。

住宅ローンを組む際は、ファイナンシャルプランナー(FP)などに相談し、各家庭の資産状況に合わせてシミュレーションをすることが大切です。

住宅の購入時期を検討している人は、こちらの記事「住宅購入前にFPへの相談がおすすめの理由」も参考にしてください。

出典
  • 三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」

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