【2023年】食品値上げによる家計負担額は月4,058円増。しかし節約によって実質373円増におさえられていた

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP

川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

2023年は、物価の高騰やガソリン代の値上げによって、これまで以上に節約が必要になった年といえるでしょう。

帝国データバンクの調査によると、2023年の食品値上げによる家計負担額は、前年比で月4,058円の増加となりました。

しかし、各家庭の節約により、実質的な増加は373円にとどまっていることがわかりました。

各家庭では、具体的にどのように節約しているのでしょうか。

この記事では、節約実態について紹介します。

貯蓄と節約意識の調査結果

株式会社DIGITALIOが運営するデジタルギフト「デジコ」が、1万1096名を対象に「貯蓄と消費に関する意識調査」を実施しました。

出典:株式会社DIGITALIO「貯蓄と消費に関する意識調査」(以下同)

前年と比較して貯蓄額が増減したかについては、「以前と変わらない」(45.3%)が最も多く、「やや増えた」(15.6%)、「かなり減った」(15.2%)と続きました。

「やや減った」も合わせて、約3割が、貯蓄額が減ったと回答しています。

前年と比較して支出額が増減したかについては、「かなり増えた」(12.5%)、「やや増えた」(29.9%)で、4割以上が「増えた」と回答しています。

一方、「減った」と回答した割合は8.4%にとどまりました。

どのカテゴリで支出が増えたかについては、「食費」と「日用品費」で支出額が増加傾向にあったことが伺えます。

「食費」や「日用品費」といった生活費の増加が原因で、支出が増加し、貯蓄額の減少につながっていることが予想されます。

次に、各家庭における食費の節約状況を見てみましょう。

食費の節約は1世帯あたり月3,700円

帝国データバンクは、食品値上げが家計の食費の負担額に与えた影響を調査しました。
 
出典:帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査―23年度家計負担額推計」(以下同)

試算によると、節約などの対策をしない場合、2023年度の食費の家計負担額は、2022年度と比べて月4,058円増加しています。

しかし、実際の食費の家計負担額は、前年比で月373円の増加にとどまっています。

つまり、各家庭では、食費を月約3,700円節約していることがわかります。

食品の中で、節約額が大きい分野を見ると「加工食品」(1,293円)、「菓子」(782円)、「酒類・飲料」(697円)と続きました。

帝国データバンクの分析によると、ディスカウントストアで購入したり、プライベートブランドの商品を購入したりする行動が、節約額の増加につながった要因と見られています。

2023年は、10月をピークに食品の値上げは落ち着くと予想されています。

一方、2024年は円安が長期化することで、再び値上げが起こるのではないかと懸念する声もあります。

なお、具体的な食費の節約方法については、こちらの記事「食費を節約したい!世帯人数・収入別の平均額や失敗しない節約術を解説」も参考にしてください。

出典
  • 株式会社DIGITALIO「貯蓄と消費に関する意識調査」
  • 帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査―23年度家計負担額推計」

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