現行NISAは残り3ヵ月。いまから始めるメリットはあるか?

執筆者:マネーFix 編集部

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2024年から新NISAの開始に伴い、現行のNISA制度は2023年で終了します。

これまでにNISA口座を開設していない人にとって、現行NISAを開設するべきか、2024年の新NISA開始を待つべきか悩んでいる人もいるでしょう。

この記事では、以下の点を解説します。

  • 現行NISAの概要
  • 新NISAの概要
  • シミュレーション
  • いまから始めるメリット

現行NISAの概要

通常、株や投資信託などの投資で得た収益(配当金・分配金や譲渡による利益)に対して20.315%の税金がかかります。

しかしNISAを利用すると一定額までの投資で得た利益を、一定期間非課税で受け取ることができます。

現行NISAには、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類があります。

一般NISA
株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。

つみたてNISA
長期・積立・分散投資に適した投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。

ジュニアNISA(新規口座開設申込は9月まで)
株式・投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。

2024年以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を迎えても、18歳になるまで引き続き非課税で保有できます。

新NISAの概要

2024年1月から始まる新NISAは、18歳以上の人が利用可能で、以下の5つの特徴があります。

非課税保有期間が無期限
現行NISAでは非課税保有期間が決められていますが、新NISAでは無期限となります。

口座開設期間が恒久化
現行NISAでは、口座開設期間が2023年まででしたが、新NISAでは恒久化されます。

つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能
現行NISA制度では「一般NISA」「つみたてNISA」の併用ができませんでした。

新NISAでは「成長投資枠(一般NISAの後継)」と「つみたて投資枠(つみたてNISAの後継)」の併用が可能になります。

年間投資枠の拡大
新NISAの年間投資可能額は、成長投資枠(現一般NISA)は240万円、つみたて投資枠(現つみたてNISA)では120万円まで増えます。
成長投資枠とつみたて投資枠を併用すると、年間投資可能額は最大360万円になります。

非課税保有限度額が全体で1800万円
現行NISAの非課税で保有できる限度額は、一般NISAが600万円、つみたてNISAが800万円です。

新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠を合わせて全体で1800万円となります。(成長投資枠は1200万円まで)

いまからNISAを始めた場合のシミュレーション

いまから現行の一般NISAを始める場合、2023年中に投資できるのは120万円までです。

仮に120万円を5年間保有していた場合いくらになるかをシミュレーションしてみましょう。

出典:金融庁「資産形成シミュレーター」

年利3%で運用した場合は約139万円、年利5%で運用した場合は約153万円になります。

同じ120万円を普通預金(年利0.001%)においておくだけだと、120.01万円です。

現行NISAをいまから始めて、5年間運用するだけでも、普通預金と比べると大きな差を生むことが期待できます。

いまから始めるメリット

現行のNISAをいまから始めるメリットは以下の通りです。

  • 制度終了後も非課税で継続保有できる
  • 非課税で利用できる投資額が増える
  • 新NISA口座は自動的に開設される

制度終了後も非課税で継続保有できる

現行NISAは、新NISAとは別枠で管理されます。

そのため、2024年に新NISAが始まったあとも、現行NISAで保有している商品をすぐに売却する必要はありません。

非課税での保有期間が終了するまで継続保有できます。

非課税で利用できる投資額が増える

新NISAの非課税投資枠は、現行NISAの非課税枠とは別枠です。

現行NISAを利用していても、2024年以降の新NISAの非課税枠が少なくなることはありません。

いまから現行の一般NISAで120万円を投資して、2024年以降に新NISAで1800万円を投資すると、生涯で利用できる非課税枠は合計1920万円になります。

併用することで、非課税で利用できる投資額を増やすことができます。

新NISA口座は自動的に開設される

現行NISA(一般NISA、つみたてNISA)を利用している場合は、新NISA口座が自動的に開設されます。

現行のNISAの口座で新規投資ができるのは、2023年までです。

制度終了後は、現行NISAでの新たな買付はできなくなります。

投資である以上、必ずしもシミュレーション通りにいくとは限りません。

預貯金などでの貯蓄も並行し、将来の資産形成のために上手く非課税制度を活用するとよいでしょう。

NISAの利用について不安があれば、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談がおすすめです。

こちらの記事「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とは?相談するメリット・デメリットや選び方を解説」も参考にしてみてください。

出典
  • 金融庁「資産形成シミュレーター」

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