【こども未来戦略方針】財源となる「支援金制度」とは?家計の負担増になる可能性も

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP

川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

2023年9月13日、新たに岸田内閣が発足しました。

今後は、新しい内閣のもとで2024年度の予算編成が検討されていきます。

「こども未来戦略方針」における財源についても、本格的な議論が行われていくでしょう。

財源として検討されているのが「支援金制度」の創設です。

この記事では、支援金制度の概要と、家計にあたえる影響について解説します。

こども未来戦略方針

「こども未来戦略方針」は、経済成長と少子化対策を両輪に「若者・子育て世帯の所得を伸ばす」ことを目的としています。

特に、今後3年間で集中的に取り組む支援策を「加速化プラン」として打ち出しています。

こども未来戦略方針の加速化プランでは、以下のような項目が実施される見通しです。

  • 児童手当の拡充
  • リスキリングへの直接支援
  • 年収の壁への対応
  • 男性育休の取得促進
  • 時短勤務による賃金低下を補う給付
  • 出産費用の保険適用
  • 医療費等の負担軽減
  • 高等教育費の負担軽減
  • 子育て世帯の住宅支援

加速化プランの予算規模は、現時点で3兆円程度となる見通しで、財源として「支援金制度」が創設される見通しです。

支援金制度の概要

具体的な枠組みはまだ定まっていませんが、この支援金制度は、社会保険料に上乗せして徴収することが検討されています。

政府の試算によると、社会保険料に上乗せする額としては1人あたり500円程度になるのではないかとされています。

ただし、社会保険料の歳出改革や公費の削減などを行い、支援金制度によって実質的な負担が生じないようにする見通しです。

支援金制度の創設にあたっては「労使を含めた国民各層による負担を実施する」という考えのもと、企業・個人問わず負担の対象になる可能性があります。

支援金制度を創設する場合、以下の負担率が見直される可能性があります。

  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

今後の議論では、以下の項目をどう考えて結論を出すのか、注目が集まっています。

  • 支援金制度によって、負担の増加とならないか
  • 加速化プランの予算がそもそも確保できるのか
  • 負担の上限や所得の低い人に対する措置は設けられるのか

社会保険料の制度そのものを変える可能性もあります。

どのような結論が出されるのか、注目が集まります。

なお、こども未来戦略方針の概要については、こちらの記事「【こども未来戦略方針】3年間で実施する「加速化プラン」まとめ」も参考にしてください。

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