【住宅ローン】固定金利は上昇傾向。金利タイプを選ぶ基準はライフプランと返済期間

執筆者:マネーFix 編集部

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7月に日銀が金融政策の修正をして以降、メガバンクを中心に「固定期間10年」の基準金利の引き上げが続いています。

変動金利は変わらず低金利の状態が続いていますが、物価上昇が続けば、今後上昇する可能性もゼロではありません。

これから住宅ローンを組む人にとっても、すでに組んでいる人にとっても、住宅ローンの金利は家計にかかわる重要な問題です。

この記事では、金利の変動に左右されない、住宅ローンの金利タイプを選ぶ際の基準について解説します。

住宅ローン金利の種類

住宅ローン金利の種類は、変動金利型、全期間固定金利型、固定金利期間選択型の3種類があります。

変動金利型

変動金利型は、住宅ローンの返済期間中に金利が変動するタイプです。

市場金利の変動に合わせて半年ごとに住宅ローンの金利が見直されます。

変動金利の金利水準は、「短期プライムレート」を基準に決まります。

変動金利型のメリット、デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 3種類の中で金利水準が低い
  • 市場金利が低下すれば、適用金利も合わせて下がり、返済額が少なくなる

デメリット

  • 完済までに負担する利息や、返済総額が分からない
  • 市場金利が上昇すると、返済額が増える

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、借り入れたときの金利が変わらない金利タイプです。

新規に借入れるときの金利水準は、10年もの国債の金利に代表される「長期金利」を基準に決められます。

変動金利とは違い、市場金利が変動しても影響を受けません。

全期間固定金利型のメリット、デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 借入の時点で返済総額を知ることができ、返済計画を立てやすい
  • 市場金利が上昇しても、返済額が増えない

デメリット

  • 3種類の中で金利水準が高い
  • 市場金利が低下しても、返済額が減らない
  • 途中で金利タイプの変更ができない

固定金利期間選択型

固定金利期間選択型は、一定の期間は金利が変わらない金利タイプです。

金利の固定期間は、5年や10年などがあり選択できます。

固定期間が過ぎると、その時点の金利水準で、再度固定金利を選択するか、変動金利に変えるかを選ぶことになります。

固定金利期間選択型のメリット、デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 借入時の金利が全期間固定金利タイプと比べて低い
  • 固定期間中は毎月の返済額が変わらないため、返済計画を立てやすい

デメリット

  • 借入れる全期間での利息額や返済総額を見通すことができない
  • 固定期間終了時に、金利が上がる可能性がある

住宅ローン金利の選び方

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)」によると、住宅ローンの金利タイプは、「変動型」が約7割、「固定金利選択型」が約2割、「全期間固定型」が約1割でした。

超低金利が続いているため、3種類の中で最も金利の低い変動金利を選ぶ人が多いと考えられます。

ここでは、それぞれの金利タイプに向いている人を見ていきましょう。

変動金利型が向いている人

返済期間が短い人や借入金が少ない人は、金利上昇の影響を受けにくいため、変動金利型が向いています。

また、ローン返済中も手持ち資金に余裕があり、金利が上昇したら繰り上げ返済をして返済総額の増加を軽減できる人にも向いています。

全期間固定金利型が向いている人

住宅ローンの返済総額を確定させ、市場金利に影響されずに計画的に返済したい人に向いています。

借入金額が増えると、返済期間も長くなり将来金利が上昇するリスクが高まります。

こうした金利上昇のリスクに備えたい人にも向いています。

固定金利期間選択型が向いている人

固定金利期間選択型は、幅広い年数から選択することができます。

「子どもの教育費にお金がかかる」など、発生することが確定している支出があり、それまでの一定期間は金利変動の不確定要素をなくしたい人に向いています。

住宅ローンの金利タイプは、ライフプランや、借入金額、期間などから総合的に判断するといいでしょう。

など、日銀の政策変更により住宅ローンの固定金利は上昇傾向にあります。

今後、変動金利に影響を与える短期プライムレートが上昇するかは不明ですが、将来予測がしにくい局面といえます。

住宅ローンを借りる際は、金利が上昇しても支払いを続けていけるかシミュレーションをしておきましょう。

なお、住宅ローン金利の推移については、こちらの記事「住宅ローン金利が上昇傾向に。これまでの推移や今後の金利動向を予測【2023年9月】」も参考にしてみてください。

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