日銀は7月下旬に金融政策の変更を発表しました。
それ以降、長期金利が上昇し、メガバンクを中心に住宅ローンの固定金利の水準が引き上げられています。
長期金利の上昇は、固定金利型の住宅ローン(フラット35や10年・20年固定など)の金利上昇につながります。
住宅ローンを組んでいる人や、利用を検討している人にとって、住宅ローン金利の上昇は、家計の支出に大きく影響します。
この記事では、住宅ローン金利の推移や今後の見通しについて解説します。
住宅ローン金利が上昇傾向に。これまでの推移や今後の金利動向を予測【2023年9月】


マネーFix 編集部
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住宅ローン金利の推移
出典:住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」
2016年に日銀のマイナス金利政策が始まったことにより、住宅ローンの超低金利時代が始まりました。
変動金利は、バブル期の1990年頃には8.0%を超えていましたが、1996年に向けて下がっていき、それ以降は大きな動きはありません。
2007~2008年頃にいったん上がったものの、2009年以降は変動していません。
一方、固定金利は、2021年以降、上昇傾向にあります。
2023年7月には金融政策の変更があり、長期金利の上限が0.5%から実質1.0%に引き上げられました。
これによって、長期金利が上昇し、連動して住宅ローンの固定金利も上昇しています。
今後の見通し
住宅ローン金利の今後の動向を予測するには、日銀の金融政策を注視する必要があります。
固定金利
先述の通り、日銀が金融政策の変更をし、長期金利の上限を1%に変更しました。
これを受けて、大手銀行の住宅ローンの固定金利は、8月・9月と2ヵ月連続で上昇しています。
このまま長期金利の上昇が続けば、固定金利はさらに上昇することになると考えられます。
また、さらなる金融緩和によって、長期金利の変動許容枠の撤廃などが実施されれば、住宅ローンの固定金利はさらに上昇することが予想されます。
変動金利
一方、低金利の状態が続いている変動金利も、上昇の可能性がゼロではありません。
日銀は、消費者物価指数が安定的に前年比2%程度上昇していくことを目標に掲げています。
物価上昇が続く中、物価上昇率2%の安定が近づいているという見方もあります。
2%の物価上昇が安定的になると、日銀はマイナス金利政策を撤廃する可能性があります。
マイナス金利政策が撤廃されれば、短期金利が上昇し、連動して変動金利も上昇することが予想されます。
住宅ローンの利用を検討している場合は、日銀の動きなど、金利動向に注目しておきましょう。
将来の金利を正確に予測することは難しいですが、さまざまなシナリオに基づいてシミュレーションを行うことは可能です。
住宅ローンを利用する場合は、金利の上昇があった際に、どの程度、返済額が変化するかを事前にしっかりとシミュレーションしておくことが大切です。
ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談し、シミュレーションすることをおすすめします。