2023年4月から、従業員が1,000人を超える企業は男性労働者の育児休業取得率等の公表が必要になりました。
また、厚生労働省は、男性の育児休業取得率の公表を義務付ける企業に関し、現行の「従業員1,000人超」から「従業員300人超」に対象を広げる方向で検討していることを明らかにしました。
公表企業の拡大により、育休取得や休みやすい職場環境の整備を促しています。
この記事では、男性の育児休業について、以下の点を解説します。
- 男性育休の実態
- 育児休業給付金
- 産後パパ育休
マネーFix 編集部
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2023年4月から、従業員が1,000人を超える企業は男性労働者の育児休業取得率等の公表が必要になりました。
また、厚生労働省は、男性の育児休業取得率の公表を義務付ける企業に関し、現行の「従業員1,000人超」から「従業員300人超」に対象を広げる方向で検討していることを明らかにしました。
公表企業の拡大により、育休取得や休みやすい職場環境の整備を促しています。
この記事では、男性の育児休業について、以下の点を解説します。
厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」によると、育児休業取得率は、女性では80%を超えています。
一方、男性の取得率は昨年17%で過去最高を更新したものの、政府が目標とする「2025年度に50%、2030年度に85%」までは開きがある状態です。
出典:帝国データバンク「女性登用に対する企業の見解についての調査」
帝国データバンクが1万1265社を対象に実施した「女性登用に対する企業の見解についての調査」によると、2023年7月時点での男性の育休取得率の平均は11.4%でした。
企業規模別でみると、「大企業」が14.1%、「中小企業」が10.6%(うち「小規模企業」が8.6%)となり、企業規模が大きいほど男性の育休取得率が高い傾向にあります。
従業員数別でみると、現在取得率の公表が義務づけられている「1,000人超」の企業が20.8%で最も高く、「全体」を9.4ポイント上回りました。
ここからは、男性の育休取得を促すための制度について解説します。
育児休業給付金とは、育児休業を取得した労働者に対して、雇用保険から支払われる給付金のことです。
子どもを養育する人のうち、一定の要件を満たす人は育児休業を取得できますが、この期間中は給料が支払われません。
そこで、育児休業中の労働者の生活を支えるために、雇用保険から育児休業給付金が支払われます。
育児休業給付金は男性、女性ともに受給が可能です。
育児休業給付金を受給するための要件は以下の通りです。
育児休業給付金の受給金額は以下の通りです。
休業開始時の賃金日額は、育児休業を開始する前6ヵ月間の賃金を180で割った金額です。
また、産休・育休中は健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料が免除されます。
産後パパ育休は、2022年10月1日から始まった制度で、男女とも仕事と育児を両立できるように創設されました。
子の出生後8週間以内に 4週間(28日)まで取得可能です。
1歳までの育児休業とは別で取得することが可能で、産後パパ育休は、2回に分けて取得することもできます。
産後パパ育休を取得し、以下の要件を満たした場合は、出生時育児休業給付金が受給できます。
受給金額は以下の通りです。
休業開始時の賃金日額 × 休業期間の日数(28日が上限)× 67%
休業開始時の賃金日額は、育児休業を開始する前6ヵ月間の賃金を180で割った金額です。
政府は、出生時育児休業給付金を引き上げる方向で調整していることを明らかにしています。
現行の給付水準は、休業前の賃金の67%ですが、今後は80%程度への増額を検討しています。
産後パパ育休中は社会保険料が免除されるため、給付水準が80%程度まで増額されると、実質的には育休前の手取り額の100%がカバーされることになります。
男性の育休取得率は政府の目標に対して低い状態です。
経済的な負担やキャリアアップへの不安なども男性の育休取得を阻む要因となっています。
給付金の水準が引き上げられれば、経済的な負担を軽減することができ、育休取得がしやすくなることが考えられます。
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