日本銀行の調査によると、日本人の家計における金融資産は、54.3%が「現金・預金」でした。
とはいえ、2024年には新しいNISA制度も始まるため、投資への意識が高まっている人も徐々に増えてきているでしょう。
初めて投資をした人は、投資額はいくらでどこに投資したのでしょうか。
この記事では、投資デビューをした人の投資額や投資先について解説します。
投資初心者の4割が資金50万円未満でデビュー。初心者が絶対に押さえるべき3つのルール


【記事執筆】FP
川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
投資デビュー時の資金と投資先
株式会社アドバンが、現在投資をしている303名を対象に「初めての投資実態調査」を実施しました。
出典:株式会社アドバン「初めての投資実態調査」(以下同)
最初に用意した投資資金については、「100万円~299万円」(26.7%)が最も多く、「10万円未満」(23.4%)、「10万円~49万円」(16.5%)と続きました。
約4割の人が「50万円未満」ということがわかります。
初めて投資した金融商品については、「国内株式」(48.2%)が最も多く、「投資信託」(32.0%)と続きました。
国内株式と投資信託が人気で、全体の8割を占める結果となりました。
初めて投資をする場合、国内株式や投資信託は定番の投資先といえるでしょう。
次に、投資をするにあたって意識すべき3つのルールを解説します。
投資効果を高めてくれる3つのルール
投資でプラスの運用成果を出すためには、次の基本ルールを意識しながら投資を行うとよいでしょう。
- 長期投資
- 資産分散
- 時間分散
長期投資
運用して得られた利子をさらに投資することで、利子に対しても利子がつくことを「複利」といいます。
投資期間が長くなればなるほど、複利効果が大きくなり、結果としてリターンも大きくなります。
出典:金融庁「投資の基本」(以下同)
また投資期間が長いと、投資による価格変動リスクが小さくなるので、安定した運用効果も期待できます。
資産分散
資産分散は、地域や銘柄で投資先を分散させる方法です。
株式や債券といった異なる資産を組み合わせて投資を行うと、特定の資産や銘柄が値下がりしても、ほかの資産や銘柄の値上がりでカバーできます。
投資初心者の投資先として人気の「投資信託」であれば、さまざまな種類の資産をファンドマネージャーが組み合わせて運用するので、資産分散を自分でやる必要がありません。
資産を分散させて投資する方法は、投資の基本として押さえておきましょう。
時間分散
少額ずつ決まったタイミングで投資する「時間分散」も、投資効果を高めてくれる方法の1つです。
「時間分散」をすると、価格が高い時期と低い時期が生じますが、長い目で見ると、1回あたりの投資価格が平準化されます。
急に価格が下がったとしても、時間分散することで投資価格が平準化し、損失した割合を軽減できます。
2024年から始まる新NISAをはじめ、投資にまつわる意識やニーズも徐々に高まっています。
これから投資を始める人は、投資の基本となる「長期投資」「資産分散」「時間分散」を意識して、投資を始めるとよいでしょう。
なお、新NISAは現行制度よりも低リスクで投資を始められる可能性があります。
理由については、こちらの記事「新NISAは現行よりも低リスク。「成長投資枠」でも長期安定的な投資が可能に」も参考にてください。
- 株式会社アドバン「初めての投資実態調査」
- テクニカル分析の解説サイト『テクニカルブック』https://runcha-app.com/technical/survey-first-investment/
- 金融庁「投資の基本」