台風や豪雨の被害で水災補償は使えるか。2024年度の保険料改定で、居住地によって数千円の差も

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP

川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

水害による被害が全国的に相次いでおり、ニュースでも大きく取り上げられています。

改めて、水害に対する備えや補償について確認をしておきたいものです。

2024年度には火災保険が値上がりする予定なので、契約している補償内容も今一度見直しをする必要があるでしょう。

この記事では、火災保険で補償される水害の範囲や、2024年度から実施される保険料の値上げについて解説します。

火災保険の水災補償とは

火災保険は、住宅にかかわるさまざまな損害リスクをまとめて補償してくれる保険です。

水災補償は、台風や暴風雨による洪水や土砂崩れが原因で、次の状態に該当すると補償されます。

状態

  • 建物もしくは家財の保険価額に対して30%以上の損害とみなされた場合
  • 床上浸水または地盤面から45センチメートルを超える浸水による損害がある場合

水災が補償される事例は、以下の通りです。

事例

  • 高潮が発生し、防波堤を超えて流れ出た海水とその漂流物で住宅が大きく破損した
  • 台風で近くの川が氾濫し、床上浸水して、壁紙の張り替えが必要となった
  • 豪雨等で山が土砂崩れを起こし、家を押し流してしまった

このように、台風や洪水による水害は補償の対象となります。

ただし、地震による津波で損害が発生した場合、補償されません。

津波による補償が必要な場合は、地震保険に加入する必要があります。

水災の補償は任意で設定できます。

設定しているか分からない場合は、火災保険を契約している保険会社に確認するか、保険証券で確認してください。

2024年度の保険料見通し

損害保険会社が保険料を決める場合、損害保険料算出機構が発表する「参考純率」を踏まえて決定します。

参考純率は、全国平均で13%引き上げられ、2024年度の保険料に適用させる見通しです。

参考純率が引き上げられる原因は、自然災害の多発によって保険金支払いが増加しているためです。

そのため、今回の改定では、「水災」に適用される保険料率がエリアごとに細分化され、水害リスクが高い地域は、同じ補償内容でも保険料が高くなります。

水災補償にかかわる保険料は5段階に分類されますが、最低等級と最高等級では、保険料に最大1.5倍程度の差が出る見通しです。

また、2024年度以降に火災保険を契約する場合、同じ補償内容でも2024年度より前と比べ、保険料は年間で数千円程度の値上がりとなります。

マイホームを購入する場合や、賃貸住宅を契約する場合も、火災保険の補償内容をどうするか検討するのは非常に大切です。

すでに契約している場合も含めて、保険料が値上げされるまでに、一度補償内容を見直してみるとよいでしょう。

なお、保険を見直す場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談することをおすすめします。

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FP相談に不安がある人は参考にしてみてください。

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