ふるさと納税は、翌年の所得税や住民税を前払いし、地元の特産物(返礼品)をもらうことができる制度です。
ふるさと納税の利用者数は2008年から現在まで増え続けており、数年継続して利用している人も多いです。
この記事では、ふるさと納税利用者の実態やふるさと納税の魅力を紹介します。
ふるさと納税の受入件数が昨年より730万件増。魅力は「豊富な返礼品」と「税金控除」


マネーFix 編集部
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ふるさと納税の概要
ふるさと納税の概要は以下の通りです。
- 翌年の所得税や住民税を前払いする制度
- ふるさと納税寄付額から2,000円引いた額が翌年に控除される
- 控除を受けるには確定申告かワンストップ特例制度の手続きが必要
- 控除額や控除上限額は人により異なる
また、控除を受けるためには、ふるさと納税の支払いを年末までに完了させる必要があります。
また、確定申告でもワンストップ特例制度でも控除される金額は変わりません。
ワンストップ特例制度の場合、申請書類に必要事項を記入し自治体へ提出するだけで手続きが完了します。
ただし、6団体以上の自治体にふるさと納税をする場合は、ワンストップ特例制度は利用できません。
ふるさと納税の利用件数の推移
総務省自治税務局市町村税課は、全地方団体(都道府県及び市区町村)を対象に「ふるさと納税の受入額及び受入件数の調査」を実施しました。
出典:総務省自治税務局市町村税課「ふるさと納税に関する現況調査結」をもとに作成
令和4年3月31日の時点で、受入額が9654.1億円、受入件数が5184.3万件です。
令和元年度から令和4年度で受入額と受入件数ともに増加していることがわかります。
令和3年度と比べて、令和4年度の受け入れ件数は約730万件増加しています。
ふるさと納税の利用歴
株式会社トラストバンクは、全国のふるさと納税経験を持つ20歳以上の1,074名を対象に「ふるさと納税歴の実態調査」を実施しました。
出典:株式会社トラストバンク「ふるさと納税歴の実態調査」(以下同)
ふるさと納税の利用歴については、「2~3年」(39.2%)が最も多く、「4~7年」(29.5%)と続きました。
複数年にわたって利用している人が約8割にのぼります。
多くの人がリピーターとなっているふるさと納税には、どのような魅力があるのでしょうか。
ふるさと納税の魅力とは
ここでは、ふるさと納税の魅力を2つ紹介します。
- 返礼品の種類が豊富
- 所得税や住民税が控除される
返礼品の種類が豊富
ふるさと納税の返礼品は、肉類や魚介類などの食料品だけでなく、工芸品、イベントや旅行のチケットなど種類が豊富です。
トラストバンクの調査によると、返礼品を選ぶ際に楽しいと思うときについては、「知らなかった特産物に出会う」(39.0%)が最も多く、「有名な名産物を見つける」(37.3%)、「お得なものを見つける」(32.4%)と続きました。
豊富な返礼品の中から、未知の特産品に出会ったり、お得なものを発見したりすることも、ふるさと納税の魅力の1つといえます。
所得税や住民税が控除される
翌年の所得税や住民税が控除される点は、ふるさと納税の大きな魅力の1つです。
控除額をシミュレーションしてみましょう。
【条件】
- 独身
- 寄付金額:3万5000円
- 年収:500万円(保険料控除などは考慮に入れない)
ふるさとチョイスの「控除上限額シミュレーション」によると、控除額は以下の通りでした。
- 所得税の控除額:3,400円
- 住民税の控除額:2万9700円
- 合計:3万3100円
ふるさと納税で3万5000円寄与した翌年に、3万3100円が控除されます。
このように、所得税と住民税の控除を受けつつ、実質約2,000円で返礼品を受け取ることができる点が、ふるさと納税の大きな魅力です。
なお、2023年のふるさと納税は9月までの利用がお得です。
こちらの記事「【ふるさと納税】10月以降、返礼品が値上げされる可能性あり」も参考にしてください。
- 総務省自治税務局市町村税課「ふるさと納税の受入額及び受入件数の調査」
- 株式会社トラストバンク「ふるさと納税歴の実態調査」