個人事業主が納める税金の1つに、個人事業税があります。
個人事業税は、法律で定められている事業を営んでいる場合に、納める必要があります。
この記事では、個人事業税の概要や非課税となる条件、納付時期について解説します。
個人事業税の納付期日は8月末。該当しない場合や支払わないとどうなるかを解説


【記事執筆】FP
川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
個人事業税とは
個人事業税は、事業をするうえで利用している、行政サービスの経費の一部を負担するための税金です。
以下の業種に当てはまる場合は、個人事業税の対象となります。
出典:東京都主税局「個人事業税」
3つの事業区分に分かれており、それぞれの事業によって税率が異なります。
全70業種となっており、ほとんどの事業が該当しています。
納付時期は8月と11月の年2回で、8月に自治体から送付される納税通知書によって支払います。
事業を廃止したなどの特別な場合には、8月以外の月に納税通知書が送付されることがあります。
その場合は送付月の月末が納付期限となります。
なお、個人事業税を支払わないと、督促状が発行されて、最終的には財産が差し押さえられる可能性もあります。
災害などの影響で、期日までに納付ができない場合、期限の延長制度を利用することができます。
個人事業税が非課税になる要件
まず、上表の事業に該当しない場合は、個人事業税を納付する必要はありません。
例えば、以下の業種は法定業種に該当していないため非課税となります。
- ライター
- システムエンジニア
- プログラマー
- 画家
ただし、仕事の内容によっては「請負業」や「デザイン業(画家の場合)」などと判断される場合もあります。
また、所得額によっては、個人事業税が非課税になります。
個人事業税は、以下の方法で計算します。
[所得額]-[事業主控除(290万円)]×[税率(3~5%)]
事業主控除は、個人事業主の事業期間で最大290万円が適用されます。
そのため、年間の所得が290万円以下であれば、個人事業税は非課税となります。
なお、個人事業主が青色申告をしている場合は、事業所得の赤字部分を繰り越せます。
今期の所得が290万円を超えていたとしても、前年から繰り越した赤字部分を相殺して290万円以内になれば、同じく個人事業税は非課税となります。
このほかに、以下に該当する場合は、個人事業税が減免されます。
- 風水害や地震、火災などの災害にあった場合
- 生活保護法により生活扶助等を受けた場合
- 高額な医療費がかかった場合
- 納税者または扶養親族等が障害者の場合
個人事業税の減免を受ける場合は、手続きや申請が必要です。
個人事業税納付する必要がある場合、各都道府県から納付書が送られるので、期日の8月末までに納付しましょう。
なお、8月末が納付期日の税金には、住民税もあります。
こちらの記事「【住民税】第2期の納付期日は8月末日。期日を過ぎると納付書が使えなくなる」も参考にしてください。
- 東京都主税局「個人事業税」