老後資金に不安を抱えている人は52.3%。必要資金をシミュレーションしてみた

執筆者:マネーFix 編集部

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物価高騰が続く中、将来に不安を感じ、これまで以上に預貯金や投資の必要性を感じている人もいるのではないでしょうか。

「老後2000万円問題」が話題になりましたが、実際にどの程度の老後資金が必要なのでしょうか。

この記事では、老後資金に関する調査結果を紹介し、老後資金がいくら必要かについてシミュレーションします。

老後資金はいくら必要なのか

三井住友トラスト・資産のミライ研究所は、1万1190名を対象に「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」を実施しました。

お金に関する不安

出典:三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(以下同)

お金に関する不安については、どの世代でも「老後資金」が最も多く、全世代平均は52.3%でした。

「老後資金」(公的年金のほかに、自分で準備しておく金額)として必要な金額

必要だと思う老後資金の金額については、どの世代でも「わからない、見当がつかない」が最も多く、全世代平均は45.9%でした。

老後資金について不安を感じる理由

次に、老後資金について不安を感じる理由について見てみましょう。

株式会社お金のデザインは、50~70代の1,000名を対象に「老後資金や資産運用についての調査」を実施しました。

出典:株式会社お金のデザイン「老後資金や資産運用についての調査」

老後資金について不安を感じる点については、「介護・医療費の負担」(58.7%)が最も多く、「年金が少ない/減らされるかもしれない」(56.1%)と続きました。

将来の介護や医療の必要性、支給される年金額の見通しの不透明性といった理由が、およそ6割にのぼる結果となりました。

老後資金のシミュレーション

将来の生活費や年金を予測し、必要な老後資金のシミュレーションを行うことで、老後資金に関する不安が軽減されるでしょう。

必要な老後資金をシミュレーションしてみましょう。

まず、老後に必要な平均月額支出を見ていきます。

総務省が発表した「2022年全国家計調査」によると、無職高齢世帯(2人世帯)の1ヵ月の平均支出は23万1858円でした。

次は、年金です。

国民年金と厚生年金どちらも加入している場合、2023年度の標準金額は夫婦2人世帯で月額22万円です。

ここから、国民健康保険料や介護保険料等を差し引いた、約20万円が手取り収入となります。

以上を踏まえて、夫婦2人世帯の場合に準備しておくべき老後資金を以下の式に当てはめて算出します。

老後資金=(支出-年金)×期間

  • 支出:月23万円
  • 年金:月20万円

65~85歳(20年間)の場合
23万円-20万円×12ヵ月×20年=720万円

65~95歳(30年間)の場合
23万円-20万円×12ヵ月×30年=1080万円

年金の金額や支出、何歳まで生きるかによって準備しておくべき老後資金は異なります。

老後資金をどのように準備するかについては、ファイナンシャルプランナー(FPなどのお金専門家への相談がおすすめです。

こちらの記事「老後資金はどこに相談すればいい?お金の不安を解消するための相談のポイント」も参考にしてください。

出典
  • 三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」
  • 株式会社お金のデザイン「老後資金や資産運用についての調査」

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