外貨資産を持つとインフレに強くなる。外貨預金の利用経験者は約2割

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP

川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

6月30日の東京外国為替市場において、約7ヵ月ぶりに円相場が1ドル145円台まで値下がりしました。

円安の進行に伴い、円安が定着すると考える人が増加し、資産運用における外貨預金の需要が増加しています。

実際に、2022年9月には、外貨預金サービスの申込が急増しました。

この記事では、外貨預金の金利や利用者の実態、外貨資産を保有する重要性について解説します。

外貨預金の金利

外貨預金の金利を、銀行ごとに比較してみましょう。

金利はすべて米ドルの場合です。(2023年7月11日時点)

出典:各銀行のホームページをもとに作成

メガバンクと比べて、ネット銀行の方が金利が高い傾向があります。

2023年7月11日時点で、みずほ銀行と三井住友銀行の円預金金利は、定期預金で0.002%でした。

円預金金利と比べると、外貨預金の金利ははるかに高く、為替リスクを考慮しないのであれば、預けたお金を増やせる可能性が高くなります。

では、利用した経験のある人はどれくらいなのか確認してみましょう。

外貨預金の利用経験者

マイボイスコム株式会社は9,706名を対象に「外貨預金の利用に関するインターネット調査」を実施しました。
 
出典:マイボイスコム株式会社「外貨預金の利用に関するインターネット調査」

外貨預金を現在も利用している割合は10.8%で、利用したことがある人と合わせると、22.3%となっています。

外貨預金の利用方法については、「中長期間で保有し、金利差益を求める」が35.4%、「中長期間で保有し、為替差益を求める」が24.9%という結果でした。

「金利差益」とは、通貨間の金利差によって得られる利益のことで、「為替差益」とは、為替レートの変動によって得られる利益のことです。

金利差や為替差による利益を求める人がいた一方で、保有資産を分散してリスクを軽減する目的の人も2割弱いました。

次に、外貨預金をはじめとした「外貨資産を保有する」重要性について、確認しましょう。

外貨資産を保有する重要性は高まる

外貨資産を保有する理由として挙げられるのは、以下の2点です。

  • インフレによって資産価値が目減りするリスクを回避するため
  • 投資対象の選択肢が増えて資産の分散保有につながるため

インフレによって物価が上がると、円の資産価値は下落します。

例えば、それまで1,000円で購入できた商品が、インフレによって1,500円になった場合、以前よりも高いお金を支払わないと同じ商品が買えないので、円の資産価値は下落しているといえます。

円の資産価値が目減りした場合、相対的に外貨資産の価値は高まるので、外貨資産があればトータルの資産価値を目減りさせずに済みます。

また、外貨資産は外貨預金以外にも、外国債券や外国株式などさまざまな種類があり、投資対象を増やすことにもできます。

複数種類の資産を保有することで、リスク分散につながります。

もし外貨預金をはじめとした外貨資産を保有していないなら、資産運用や保有資産のリスク分散の観点で検討してみるとよいでしょう

資産運用について詳しく知りたい人は、FPに相談することをおすすめします。

自身のライフプランや状況に合わせて、適切な資産運用方法を提示してもらえます。

興味のある人は、こちらの記事「ファイナンシャルプランナーへの相談料金の相場|無料と有料どちらがおすすめ?」も参考にしてみてください。

出典
  • マイボイスコム株式会社「外貨預金の利用に関するインターネット調査」

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