日本では、少子高齢化により年金財政が悪化しており、公的年金だけで生活することに不安を覚える人も増えてきています。
また、昨今さまざまなものが値上がりしており、預貯金をしておくだけでは、お金の価値が目減りしている状況です。
こうした状況下で、資産運用の必要性が認識され始めています。
資産運用を後押しするため、2024年から「NISA制度」が大幅に拡充されます。
この記事では、「所有資産額ごとのNISA制度活用の有無」や、新NISA制度のメリットについて解説します。
お金持ちはNISAを活用している。今からでも遅くない。知っておきたい新NISA制度のメリット


マネーFix 編集部
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資産額とNISAの関係
株式会社MILIZEは、2,000名を対象に「金融リテラシーと意識・行動の実態調査」を実施しました。
出典:株式会社MILIZE「金融リテラシーに関するアンケート」(以下同)
調査によると、金融リテラシーの設問に対する正解数が多くなるにつれて、金融資産額も多くなっていることがわかりました。
「金融資産ごとのNISA・iDeCoを制度活用の有無」については、「5,000万円以上の人」(100%)が最も多く、「2,000~5,000万円未満」(85%)と続きました。
金融資産額が多い人はNISAやiDeCoの利用率が高いことが伺えます。
制度を理解し活用することで、金融資産を増やすことが期待できます。
新NISA制度のメリット
NISAとは、株式や投資信託などで得た利益や配当にかかる税金(20.315%)が非課税になる制度です。
現行制度では、「一般NISA」と「つみたてNISA」があります。
2024年から始まる新NISAでは、それぞれ「成長投資枠」「つみたて投資枠」に変更されます。
出典:金融庁「新しいNISA」
2024年からの新NISAは、これまでのNISA制度と比べて4つのメリットがあります。
- 年間投資枠と非課税保有限度額が大幅に増える
- 非課税保有期間が無期限になる
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になる
- 投資枠の再利用ができる
年間投資枠と非課税保有限度額が大幅に増える
現行制度の年間投資枠と非課税保有限度額は以下の通りです。
一般NISA
- 年間投資枠:120万円
- 非課税保有限度額:600万円
つみたてNISA
- 年間投資枠:40万円
- 非課税保有限度額:800万円
新NISAでは以下の通りです。
- 年間投資枠:合計360万円(成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円)
- 非課税保有限度額:合計1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)
非課税の投資枠が増えることで、より資産を増やすことに期待できます。
非課税保有期間が無期限になる
現行制度の非課税保有期間は、一般NISAが「5年」、つみたてNISAが「20年」です。
例えば、一般NISAを利用して100万円を投資し、5年後に130万円になったとします。
この運用益30万円には税金がかかりません。しかし、6年目以降に130万円が150万円になった場合は、運用益の20万円に対して課税されます。
一方、新NISAでは非課税保有期間が無期限になるため、6年目以降の運用益も非課税になります。
つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になる
現行のNISAは、「一般NISA」と「つみたてNISA」を併用できません。
例えば、つみたてNISAを利用して月に3万円ずつ積み立てている場合、別途一般NISAを利用して120万円を投資するということはできません。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠が併用できるようになり、上記のような投資も可能になります。
併用ができることで、ひとりひとりの資金計画や投資スタイルに合わせた、より柔軟な投資方法が実践できる制度になっています。
投資枠の再利用ができる
新NISAのメリットとして、投資枠の再利用ができることが挙げられます。
現行のNISA制度では、投資枠の再利用はできません。
例えば、2023年1月に120万円で購入した株を、2023年6月に150万円で売却したとします。(運用益30万円は非課税)
この場合、再度投資をしたいと思っても、投資枠の120万円をすでに使用しているので、2023年中はNISA制度を利用して投資することができません。
一方、新NISA制度では、上記のような場合でも投資枠の再利用が可能です。
投資枠の再利用が可能になると、「利益が出ているため一度売却し、またタイミングをみて購入する」という運用ができるようになります。
新NISAでは、これまでのNISA制度よりメリットがあります。
まだNISAを利用していない人は、新NISA開始を機に利用してみてはいかがでしょうか。
NISA口座の開設をしていない人は、こちらの記事「【2023年】NISA口座おすすめの証券会社は?選び方のポイントも解説」も参考にしてください。
- 金融庁「新しいNISA」