地価が高騰。全国平均、前年比1.6%増。 上昇率の高い人気エリアは「足立区」や「荒川区」

執筆者:川辺 拓也

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川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

国土交通省が発表した「地価動向の調査結果」によると、全国の地価動向は2年連続で上昇しています。

都市部を中心に地価の上昇が続き、地方部においても地価が上昇している範囲が広がっており、コロナ禍以前の状態への回復傾向が見られます。

この記事では、全国の地価動向と住宅購入に関する意識調査について解説します。

全国の地価は前年比1.6%プラス

国土交通省の「地価公示」によると、2023年1月の地価は、2022年に比べて平均1.6%のプラスとなりました。

用途別にみると、住宅地はプラス1.4%、商業地がプラス1.8%です。

「三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)」や「地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)」では、住宅地・商業地ともに2年連続で地価が上昇し、上昇率も拡大しています。

「三大都市圏」や「地方四市」以外の地域でも、住宅地の地価が28年ぶりに上昇に転じています。

なお、東京都の住宅地の地価上昇率TOP10は以下の通りです。

  1. 綾瀬(足立区)
  2. 千住大橋(足立区)
  3. 三ノ輪(荒川区)
  4. 中野(中野区)
  5. 西巣鴨(北区)
  6. 日暮里(荒川区)
  7. 赤羽岩淵(北区)
  8. 東尾久三丁目(荒川区)
  9. 神楽坂(新宿区)
  10. 湯島(台東区)

足立区や荒川区など、下町エリアが人気で、需要が高まっていることが伺えます。

全国的に地価が上昇しているなか、マンションの購入や売却に対する消費者の意識はどのような状況なのでしょうか。

マンション購入に対するニーズは減退?

スタイルアクト株式会社は、直近3か月間に新築マンションの販売センターに行った経験がある207名を対象に、「マンション購入に対するアンケート」を実施しました。
 
出典:スタイルアクト株式会社「マンション購入に対するアンケート」(以下同)

今は売り時だと思うかについて、「売り時」「やや売り時」と回答した割合が70%を超えました。

購入したい物件数については、平均値が「0.73件」で、2021年4月の水準まで減少しています。

さらに、半数以上が東京23区で購入したい物件数は「0件」と回答しています。

マンションは、都心部を中心に、購入希望者が減少傾向にあることが伺えます。

マンション購入を検討している人の割合が減少している一方で、東京23区以外に戸建て住宅の購入を検討している人の割合が増えているようです。
 
戸建てを検討する割合については、東京23区を除くエリアで、「購入意欲が増した」「購入意欲がやや増した」と回答した割合が30%を超えました。

都心部を中心に、地価が高騰し、住宅価格が上昇しているなか、東京23区以外のエリアへの注目も高まっているようです。

住宅価格が高騰しているなか、新築だけでなく中古住宅を検討することも選択肢の1つです。

こちらの記事「中古住宅の購入は10年間で2倍以上に。「新築より安い」「リノベの楽しさ」が魅力」では、中古住宅ならではのメリットを紹介しているので、参考にしてみてください。

出典
  • スタイルアクト株式会社「マンション購入に対するアンケート」

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