4月は、環境や生活が新しくなる節目の月です。
同時に、新しい年度が始まり、お金に関する新しい制度やルールが適用されます。
この記事では、2023年4月から変更される制度の中で、以下の項目について解説します。
- 出産一時金の増額
- 公的年金が実質目減り
- 給与のデジタル払いが解禁
- NHK受信料の割増金が改定
- 従来の保険証だと受診料の負担増
お金に関する制度が4月からどのように変わるのか把握できるので、ぜひ参考にしてください。
【記事執筆】FP
川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
4月は、環境や生活が新しくなる節目の月です。
同時に、新しい年度が始まり、お金に関する新しい制度やルールが適用されます。
この記事では、2023年4月から変更される制度の中で、以下の項目について解説します。
お金に関する制度が4月からどのように変わるのか把握できるので、ぜひ参考にしてください。
出産一時金は、42万円から50万円に増額されます。
出産一時金を受け取れる対象者は、「妊娠4ヵ月以上で出産をした人」です。
早産、死産、流産、人工妊娠中絶なども支給対象に含まれます
出産一時金を増額する理由は、出産費用の負担が増えているからです。
厚生労働省の調査によると、正常分娩に限れば、平均値が42万円を超えているという実態がありました。
出典:厚生労働省 保健局「出産育児一時金について」
こうした現状を受け、出産時の負担を軽減する目的で、出産一時金が42万円から50万円に増額されます。
公的年金は、毎年の物価変動率や賃金変動率をもとに改定します。
2023年4月からの年金額は、67歳以下で2.2%、68歳以上で1.9%、前年度から引き上げられます。
しかし、物価上昇率が2.5%のため、年金額の引き上げ分が、物価の上昇分に追いついていません。
そのため、年金額は実質目減りとなってしまいます。
出典:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
実質目減りとなった背景には、マクロ経済スライドが関係しています。
マクロ経済スライドとは、将来世代に年金の財源が確保できるように、給付水準を自動的に調整する仕組みです。
公的年金の受給額が実質的に目減りするため、家計のやりくりもいま以上に慎重になる必要があるでしょう。
「〇〇ペイ」といった電子マネーで給与が受け取れる、「デジタル払い」が解禁されます。
キャッシュレス決済の普及を目的に、政府が新しく制度を導入しました。
特定の電子マネーで給与が振り込まれるので、現金を電子マネーに交換する手間が省けます。
また、銀行口座が開設できない外国人にも給与を支払えるので、労働力や人材の確保ができる点もメリットです。
今後、どこまで給与のデジタル払いが浸透するのか、注目が集まります。
NHK受信料の割増金に関する規定が改定されます。
正当な理由なく期限までに受信契約をしなかった場合、受信料の2倍に相当する割増金が請求されるようになります。
受信契約を期限内に行わないと、正規の受信料と割増金を支払う必要があります。
新生活で引越しをしたり、ひとり暮らしを始めたりして、新たにテレビを購入する場合は注意しましょう。
マイナ保険証に対応している病院で、従来の健康保険証を使って受診すると、窓口での費用負担が増えます。
改正前後の診療報酬を比べてみましょう。
出典:厚生労働省「「個別改定項目について」の補足説明資料」をもとに作成
マイナ保険証を利用しない場合、初診・再診・調剤のいずれも負担が増加しています。
マイナ保険証に対応していない病院では、上記の制度は適用されません。
かかりつけの病院が、マイナ保険証に対応しているか確認しておきましょう。
2023年4月から変わるお金に関する制度の変更点を5つ解説しました。
2023年は5月以降も、コロナの5類引き下げによる医療費の自己負担や、電気代の値上げなどが控えています。
今後も生活や家計にとっては、負担が増加する見通しです。
日々の家計に関する心配事や悩みがあるなら、家計管理に詳しいファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめです。
「家計が黒字にならない」「家計管理で苦労している」などの悩みがあれば、相談してみましょう。
FP相談について詳しく知りたい人は、こちらの記事「ファイナンシャルプランナーに家計相談するときの選び方の注意点やアドバイスの例を紹介!」も参考にしてみてください。
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