介護保険証がマイナカードと一体化。更新漏れの防止や再発行手続きの簡素化につながる可能性も

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

厚生労働省は、介護保険証とマイナンバーカード(以下:マイナカード)を一体化する方向で、検討を始めました。

2023年2月27日の社会保障審議会で議論が行われ、早ければ2025年度に導入される見通しです。

この記事では、介護保険証をマイナカードと一体化するメリットや、懸念されるポイントについて解説します。

介護保険証をマイナンバーカードに紐づけるメリット

介護保険証をマイナカードと一体化させる動きは、始まったばかりです。

もし、介護保険証をマイナカードに一体化させた場合、現時点で考えられるメリットは、以下の2点です。

  • 介護保険証の再発行や更新の手続きが簡素化できる
  • 自己負担割合の決定に必要な情報を迅速に把握できる

介護保険証の再発行や手続きが簡素化できる

介護保険証がマイナカードと一体化すると、介護認定を継続して受けるための更新手続きや、書類のやり取りが簡単になるでしょう。

一般的に、要介護認定を受けて介護保険の利用を続けるためには、定期的な介護保険証の更新が必要です。

要介護認定の有効期間は、新規の認定では6ヵ月、更新の認定は3ヵ月から48ヵ月の期間です。

つまり、介護認定されている期間内に、必要な書類をそろえたうえで更新の申請が必要です。

更新手続きを忘れると、介護保険サービスが受けられなくなります。

マイナカードが介護保険証と一体化されれば、介護認定に関する情報が把握しやすく、更新漏れを防ぐ効果や、手続きの簡素化が期待できます。

また、介護保険証は更新されるごとに新しいものを郵送しているので、自治体からすると手続きや管理も複雑です。

マイナカードと一体化させることで、自治体側の手続きも簡素化されるメリットがあります。

自己負担割合の決定に必要な情報が迅速に把握できる

介護保険を利用する場合、サービス費用の一部は自己負担となります。

自己負担の割合は1~3割ですが、前年の所得金額の合計や年金収入に応じて割合が変わります。

マイナカードと一体化されると、合計所得金額の迅速な把握につながるので、介護保険を管理する行政にはメリットになるでしょう。

介護保険証とマイナンバーカードを一体化する場合の懸念事項

介護保険証がマイナカードと一体化した場合、懸念されるポイントも考えてみましょう。

マイナンバーカードは、原則として国民が任意で作成するカードです。

マイナカードの作成を希望しない人や、障害を持っていて作成できない人にどう対応するのか、慎重な議論が必要でしょう。

現行の紙の健康保険証は、2024年の秋をめどに廃止される方向ですが、介護保険証がどうなるかは結論が出ていません。

2023年度中に議論をまとめる方向なので、どのような形で運用されるのか、引き続き注目していきましょう。

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