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物価高騰は「4~5月」でピークアウトするかもしれない。42.8%の企業が4月に値上げを予定

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

2022年は円安やウクライナ情勢の影響で、さまざまな商品やサービスが値上がりしました。

2023年も物価高に関する先行きは不透明ですが、今後、物価はどのように推移していくのでしょうか。

この記事では、2023年の値上げ動向について、帝国データバンクの調査結果をもとに解説します。

価格転嫁の推移

帝国データバンクが2022年12月に実施した「価格転嫁に関する調査」によると、全体の39.9%が、自社サービスや商品の価格転嫁ができていると回答しました。

価格転嫁とは、原材料などの値上げ分を商品やサービスの価格に上乗せすることです。

2022年の価格転嫁率の推移は下表のとおりです。
 

出典:帝国データバンク「価格転嫁の実態」「価格転嫁に関する調査」より作成

9月の時点では価格転嫁率は36.6%でしたが、2022年末までに徐々に価格転嫁が進んでいることが伺えます。

しかし、2022年末時点で6割は価格転嫁できておらず、2023年以降も価格転嫁による値上げが続くことが想定されます。

特に、小売業では思うように価格転嫁が進んでいません。


出典:帝国データバンク「価格転嫁に関する調査」(以下同)

小売業全体の18.9%が「価格転嫁が全くできていない/していない」と回答しています。

小売業は消費者の反応を受けやすく、なかなか価格転嫁に踏み切ることができないようです。

値上げのヤマ場は「4~5月」

次に、今後の値上げの見通しについて見てみましょう。



2023年の値上げ予定については、全体の42.8%が「4月」に集中しています。

1月、2月、3月、5月がそれぞれ20%を超えており、2023年は1月から5月にかけて、値上げが集中的に予定されていることがわかります。



業界別で見ると、価格転嫁が進んでいなかった「小売」では、61.0%が4月に値上げを予定しています。

「卸売」は47.0%、「製造」は37.0%が、4月に値上げを実施する見通しです。

各企業の値上げ予定を見ると、2023年の値上げは「4~5月」を境にピークアウトする見通しのようです。

しかし、4月以降も値上げが常態化する可能性もあり、楽観視はできません。

特に、食品分野は物流やエネルギーコストの影響を受ける可能性があるため、夏頃まで値上げが継続する可能性もあります。

継続して家計を守る取り組みをしたいものです。

家計について専門家に相談してみたい人は、こちらの記事「ファイナンシャルプランナーに家計相談するときの選び方の注意点やアドバイスの例を紹介!」も参考にしてみてください。

出典
  • 帝国データバンク「価格転嫁の実態」
  • 帝国データバンク「価格転嫁に関する調査」

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