NISAの知名度は97.5%だが、理解している人は約半数。今さら聞けないNISAの概要と新旧の変更点を確認

執筆者:マネーFIX 編集部

2022年12月16日、自由民主党は「令和5年度税制改正大綱」を発表しました。

2024年から開始される、新しいNISAの詳細が盛り込まれています。

岸田首相は、NISAの拡充を「資産所得倍増プラン」の柱としていますが、NISAの認知度や利用実態はどのようになっているのでしょうか。

この記事では、「『資産所得倍増計画』『NISA』に関する意識調査アンケート」をもとに、以下の項目について解説します。

  • NISAの認知度や利用実態
  • NISAの概要
  • 現行のNISAから新しいNISAへの変更点

NISAを理解している人は1.1%

株式会社Q.E.D.パートナーズが、20~50代の200名を対象に「『資産所得倍増計画』『NISA』に関する意識調査アンケート」を実施しました。

□『NISA』という言葉を聞いたことありますか?

出典:株式会社Q.E.D.パートナーズ「『資産所得倍増計画』『NISA』に関する意識調査アンケート」(以下同)

「NISAという言葉を聞いたことがあるか」については、97.5%が「ある」と回答しました。

□「NISA」について理解度を教えてください


「NISAの理解度」については、「よく理解している」「ある程度理解している」が合わせて55.5%でした。

「ほとんどわからない」「全くわからない」が半数近くにのぼり、NISAという言葉自体は知られているものの、内容の理解は認知度に追い付いていないことが伺えます。

□NISAについて意見をお聞かせください

 
NISAの利用状況については、「活用している」は33.5%、「今後活用予定あり」は15.5%でした。

66.5%の人は、調査時点でNISAを活用していないということがわかりました。

□NISAの利用にハードルとなるのは何だと思いますか?


「NISAの活用にハードルを感じるもの」については、「そもそも資金がない」(41.5%)が最も多く、「投資に不安を感じる」(41%)、「制度が複雑で理解できない」(17.5%)と続きました。

NISAの理解度について、「ほとんどわからない」「全くわからない」が半数近くにのぼりましたが、「制度が理解できない」点は、NISA活用にあたって一定のハードルになっているようです。

NISAの概要

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資した場合、売却した利益や配当に対して約20%の税金がかかります。

例えば、株式を売却して100万円の利益がでた場合、20万円の税金がかかります。

「NISA口座」を開設し、NISA口座内で購入した金融商品については、売却益や配当に対して税金がかからなくなります。

「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類があり、それぞれ限度額や期間が異なります。

現行のNISA制度の概要は下表の通りです。


出典:金融庁「NISAとは?」(以下同)

現行のNISAから新しいNISAへの変更点

2024年からは、限度額や期間などが変更される予定です。

新しいNISA制度の概要は下表の通りです。



大きな変更点は以下の通りです。

  • 一般NISAとつみたてNISAが一本化し、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に
  • ジュニアNISAが廃止
  • 年間投資枠が増額
  • 非課税保有期間が無期限化
  • 投資可能期間が恒久化


限度額や期間の変更点をまとめると下表の通りです。



売却すると非課税保有の限度額が復活するのも特徴の一つです。

例えば、1800万円分の投資信託を保有した状態で、100万円分を売却すると、再び100万円分の投資枠を使用することができます。

ただし、売却した年の年間投資限度額は復活しない点に注意が必要です。

また、現行NISAで購入した金額は、新しいNISAの非課税保有の限度額には含まれません。

例えば、2023年からつみたてNISAを始めて40万円分投資した場合でも、2024年からは非課税保有枠の1800万円分はすべて利用できます。

NISAは、効率よく資産形成をするために有効な制度です。

制度を理解し、資産形成の準備を始めてみてはいかがでしょうか。

出典
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